イースターはキリスト教国では最重要の日の一つですが、なんだかややこしい祝日です。どうしてそんなことになったんでしょうか?最近は日本でもイースターのお祝いが行われるようになってきましたので気になるところです。キリスト教徒が1%しかいない日本ですが日本人は海外のものを宗教色抜きにして取り入れるのが好きですね。ただしこれも商業主義のイベント戦略が透けて見えますが・・・今回はそんなイースターの由来と暦論争についてまとめてみました。
目次
イースターに関わることをしらべたら面白かった
祝日が毎年変わるイースター
「イースター」とは毎年その祝日が変わる移動祝祭日です。祝日が移動するなんて珍しいですね。
具体的には「春分の日3月21日の後の4月24日までの最初の満月の次の日曜日」と決まっています。
自裁には地球には時差があるため、昼夜同じ時間の春分の日は国によってちがいますが、ここは公式には21日と決めたのだそうです。
それなのになぜ祝日が移動するのかというと、もともとはその祝日は月を基準にした太陰暦で決められていました。ですから現在も満月を基準としてイースターは決められています。しかし現在は太陽を基準とした暦で日時を数えていますから、どうしてもずれてしまうのですね。
他にもイースターが様々な昔からのお祭りを掛けあわせ、その上に乗っかって普及したお祭りであったために昔から、いつを復活祭にするかは議論の的になっていました。
祝日が場所によって違うイースター
それでもなんとかイースターの日は太陽暦の一つであるユリウス暦での同じ日にまとまったこともあったのですが。
世界中で使用されているグレゴリウス暦への改変が行われたことを契機にして。
現在はグレゴリオ暦を採用している西方教会とユリウス暦を採用している東方教会とでは毎年祝日が異なるという結果になっています。
このため復活祭の日については現在でも【復活日論争】と呼ばれる様々な意見があります。
イースターはキリスト教世界ではイエス・キリストが死後3日目によみがえった、「復活」を祝う日でありクリスマスに匹敵する超重要な祝日であるにもかかわらず、どうしたことなんでしょうね?
イースターの由来は?
キリスト教は宗教的に言うと新興宗教の一種であるため、過去何千年と続いてきた宗教行事をキリスト教のお祭りとして普及の材料としてきました。
クリスマスもある意味典型的に他の神様のお祭りをキリストの誕生をお祝いするお祭りに置き換えたものです。ですから口が裂けてもキリストの誕生日だとはいえないわけです。
それではイースターの方はどうなんでしょうか。こちらも超重要な儀式であって、そもそも一神教は「奇跡」がなければ成り立ちません。
キリストが行った最大の奇跡は磔刑に処されて死亡したあと。3日後に復活したというものです。
これがなければキリスト教は成立しないのです。ですからイースターの意味は重大です。
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しかしまたこのイースターも他のお祭りを導入して自分たちのお祭りにしたもののようです。
ただしこれもキリストが復活した日!ではなくてキリストの復活を祝う日であることは知っておくべき知識です。
そもそもイースターは、古典英語では「Pasch」「Pascha」とも表記され、意味としては「ユダヤ教の「過ぎ越しの祭(Passover)」と「復活祭(Easter」という二重構造です。
更にたどると復活祭を意味するギリシャ語の語源がユダヤ教の「過越(すぎこし)の祭り」を表す「ペサハ」(Pesach)というヘブライ語であるということです。
またお祭り自体は北方神話春の女神「イーアスターEostre」に由来すると言う説もあります。
この説によればイースターは本来はキリスト教とは関係のない異教徒の春の祭りでした。寒さ厳しい暗い冬から、生命が芽吹き繁殖が始まる春へと移り変わる季節の胎動を祝うこのお祭り。
キリスト教徒がこれを自分たちのお祭りとしてすり替えを行って布教の道具として使ったともいわれています。
冬から春へのイメージは死後復活したとされるイエス・キリストのイメージと重ねられ、キリストの復活をこのお祭りによって喧伝していったのです。
いずれにしろ他にも様々なお祭りが合流してできたものであることは【復活日論争】などからも伺われます。
なぜ復活祭は日曜日なのか?キリスト復活は土曜日でしょ!
日曜日を休む習慣は直接的にはキリスト教から来ていますが、キリスト教の風習はほとんどその前の宗教や風習に由来しています。
まず旧約聖書に「神が天地の創造を六日間で終え、七日目に休んだ」とありますが、その休みの日は土曜日だったんです。
その影響かどうか。
キリストの復活は土曜日とされています。
それでキリスト教徒も最初は土曜日を休日にしていたんだそうですが、紀元前1世紀頃から占星術では土曜日は不吉な日とされ、それが広まりました。
またキリスト教がその多くを模倣したとされる古代最大の宗教ミトラ教では日曜日が礼拝日だったんです。
ローマ帝国では初期の頃はミトラ教が最大勢力でしたので、ローマでは日曜日を休日とする習慣が定着していました。
さらには4世紀になって、ローマ帝国では日曜日を休日とし、休業するように皇帝コンスタンティヌス1世が命じたことでさらに定着して行きます。
キリスト教はそれに便乗し、布教をしやすいように日曜日を礼拝日と定め、その延長上でイースターを日曜日に行うことに決めたようです。
当然反対派も数多くいたようですね。
キリスト教って結構都合主義!でも復活をお祝いする日ですから、何も復活したとされる日にお祭りを行わなくてもいいわけですので。
その辺りキリスト教はとっても柔軟です。
現在は日曜日は、学校も仕事もお休みというのはキリスト教世界でなくても。この日本でさえも今では、当然の習慣になってますよね。
まとめ
調べてみると突っ込みどころ満載のイースターでしたが、キリスト教圏では実際のお祭りはとても豪華で荘厳です。準備にも相当な時間をかけてキリストの復活を心から喜び合っています。
そしてイース-は来クリスチャンの人達の日常でかなり意識されています。
有名な話ではキャプテンクックが発見したイースター島。
ポリネシア諸島の東の端にある島ですが、この島の名前はクックがイースターの日に到着したことで名前がつけられました。
日本でも流行の兆しがあるイースター。キリスト教徒にとっては異教徒である日本人の商業的イースターはどんな風に見えるんでしょうか?
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