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私の田舎ではお供えしていた鏡餅を割ってそれをお雑煮で食べる風習が有ります。
それを鏡開きといいます。
行きつけの居酒屋では毎年新年開始日に酒樽の蓋を割って振る舞い酒をするんですが、それも鏡開きと言っています。
酒樽の蓋を割る鏡開きと鏡餅を割る鏡開きは違うものなのでしょうか?
どちらのやり方も名前が一緒でややこしいですね。
また鏡開きってなぜそういう名前なんでしょうか?その由来が気になっていたので調べてみました。
もし参考にしていただけるようなことが一つでもあればとても嬉しいです。
目次
鏡開きの由来
1鏡餅の「鏡開き」
鏡餅を使用した「鏡開き」はお正月に神棚などにお供えをしていた鏡餅を割って、お雑煮や汁粉などにして入れて食べる儀式です。

引用元;http://jtcl.co.jp/wp-content/uploads/2014/01/kagamibiraki.gif
昔から元日には神様がやってくると考えられており、それをお迎えするためにおせち料理など神様が喜ぶごちそうを作ってお供えをするのです。なぜそうするかといえば、年に一度、家に訪れてくださる年神様からお年玉を与えてもらうためです。お年玉は、「お年魂」であり、一年間を力強く生きていく為に必要な活力の源なのです。そしてそのお供えしたものには歳神様の加護が宿ると考えられていますので一旦お供えをしたあとそのお下がりを食べることによって1年間の一家の無病息災を祈るのです。
おせち料理は日持ちがしませんので、すぐに食べますが鏡餅は日持ちがしますし、普通のお供えとは違った意味も持っていますのですぐには食べません。
それは鏡餅のところが神様が居場所になるからです。
鏡餅が無いと歳神様の居場所がありません。ですから、鏡餅の無いお正月はありえません。
一般的には神様が去ったあと、11日に鏡開きを行います。地方によっては決まり事が違いますので、4日,5日,6日,14日,15日などに行うことも有ります。
2酒樽の「鏡開き」
「鏡開き」の由来については、はっきりとはわかっていないそうです。昔、武士が出陣の際に、味方の気持ちを鼓舞しようと、振舞酒として酒樽を割ったことから来ているのではないかと言われています。
清酒の樽のふたを、古くから、まるくて平らな形から「鏡」と呼んでおり、そんなことから、 樽のふたを割って、酒をみんなで飲み交わすことを「鏡開き」と呼んでいます。

引用元;http://pds.exblog.jp/pds/1/200501/12/66/a0009666_11563993.jpg
ところで、お酒の語源は“栄える”から“栄え水(さかえみず)”の名が起こったもののようです。お酒は「栄え水」がさらに変化して“さかえ”から“さけ”となって今の呼び名になったということです。
運を開き、栄える酒を取り出すための儀式が「鏡開き」です。
清酒の樽のふたを叩いて割って振る舞い酒として皆で飲むことで、開運とお互いの繁栄を祈るのです。
“よろこび”の場面に欠かせないものとしてお正月以外にも結婚式や他の祝いごとなどでは頻繁にこの「鏡開き」が行われているのはこのような理由があるからです。
現在は、年初め,結婚式,祝勝会,各種パーティーなどあらゆる喜びの場面で使われ、周囲の人を盛り上げるのに使われています。
なぜ割るのにもかかわらず鏡「開き」というのでしょうか?
鏡餅も清酒の樽も共「割って」いるわけですが、なぜ鏡割りと言わないで「鏡開き」というのでしょう?
それは「鏡」は昔から魂が宿る大切なものとされていましたし、本来割れものでしたので、割れないように大切に扱われて来ました。ですから「割る」という言葉を鏡に使うのは縁起が悪いものとして嫌われていたのです。
鏡餅も清酒の樽も「鏡」に見立てている以上「割る」は禁句となります。
それで「開く」と言い換えて表現しているのです。
餅を包丁で切るのは縁起が悪い?
それとお餅を包丁などで切ってしまうのは縁起が悪いと考えられていたようです。切ると縁起が悪いのは「切腹を連想させるから」などという理由です。
「割る」を「開く」と言い直すなど、昔の人たちは言葉には敏感でした。
それなので鏡餅にヒビが入ってから手または木槌などでを使って割りました。
もちろん酒樽も刃物は使いません。木槌で割るのが慣例です。
まとめ
「鏡開き」の所以をまとめてみましたが、調べてみると深い意味があるということがわかりました。
鏡餅の「鏡開き」は餅を砕いて食をすることで神様からお年玉をいただく儀式。
酒樽の「鏡開き」では樽の蓋を壊すことで、運を開き、栄える酒を取り出すための儀式。
いずれも幸せを祈る大切な儀式なんですね。改めてその意義を感じさせられました。
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