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フィリピンではタクシーやトライシクルでのボッタクリは日常茶飯事ですが、これはモラルの問題という以前に構造的な問題もあります。
フィリピンは日本とは比較にならないほど貧乏人に過酷な社会です。ジープニーやトライシクルの運転手はどうやってこの仕事をしているんでしょうか?
目次
ジープニーやトライシクルの運転手が必死なわけは?
レンタル料がバカ高いフィリピン
ジープニーやトライシクルの運転手はレンタルで車を借りて自家営業をしている人々がほとんどです。ですのでガソリンやメンテナンスは自分持ちで、それらを差し引いた売り上げが自分のものになるようです。ですから一定の金額以上を稼がないと赤字になってしまいます。

引用http://cebuciajp.jugem.jp/?eid=397元:
トライシクルの場合ですとリースの支払い期間は5年です。リース料の総額は約20数万から30万ペソ。
物によって値段は上下しますが、高いですね。トライシクルを自分で購入すれば、7万ペソから9万ペソほどで買えると聞きました。料率で考えたらめちゃくちゃ高いです。日本で比較すると消費者ローン並の高利です。3倍以上のお金を支払ってようやく5年落ちのトライシクルを自分のものにできます。結構きついですね。8万ペソと言うと20万ぐらいですかね。大したことがないように思えます。でもそのお金が無いばっかりに50万円以上の借金を背負います。
フィリピンの庶民の多くは約8万ペソというお金を持っていませんから、ここまで不利益を被る条件でも、その仕事に就く人はたくさんいます。彼らは高いレンタル代と日々の生活費を稼ぐため、どうしても客単価をあげる必要があるので生活のためにボッタクリをするんです。
私はそういうことを知ってからはぼられてもあまりうるさく言うことはしなくなりました。それに何回もフィリピンにいっているうちに馴染んできて雰囲気がフィリピン人に似てきたのかどうか。ぼったくられることがあまりなくなってきました。
セブの場合、大学を卒業して、就職しても2万ペソのお給料だったら決して悪くはないです。いまは大幅な円安ですが、それで大体5万円ぐらいですね(2015年末)。前も書きましたが、物価は安くはないですから。みなさんかなりきつい生活をしています。住むところを友人とシェアしたり。あと驚いたのはシャワーがないところに住んでいる人が多いということです。水道料金は高いですから。水を溜めて体を拭いている人が多かったです。ましてや学歴がなければまともな就職は殆どできません。そういう人たちがトライシクルの運転手になるわけですので、8万ペソの貯金をするというのは大変なことなんです。
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ジープニーも個人営業
私はセブに行った時にジープニーに使う車を買うのに出資しないかと言われたことがありました。ジープニーの場合、料金は均一ですし、路線バスみたいなものなんで、公共機関が運営しているのかとおもいきや。これも個人でやっているんですね。ジープニーもまた多くの運転手さんは車をレンタルし、そのレンタル料を払っています。
ジープニーに使う車を買ってレンタルに出せば、2年以内に資金は回収できてその後は配当を出すことができるんだと。100万円投資したものが5年後に300万円になるんだったらいい話のように思えます。フィリピンではお金を借りると相当な高金利となります。そのような貧しい人を搾取する構造が実際ありますのでね。一口乗ろうかと思う方も多いようです。
しかし後でフィリピン在住の方に話を聞いたらそういったジープニー詐欺にやられた日本人は多いよねって言うことでした。高金利で借りてジープニーを使っているのは確かだとしても、そもそも約束が守られないのがフィリピン社会。お金を出すだけの日本人が現場がわかるわけではありません。現場のことを知らない日本人を騙すなんてことはわけないことです。お金が溶けてしまってもどうしたら良いかわからないということでした。よほどの信頼関係が築けなければ、その手の投資話は危険です。
トライシクルの仕事に憧れる人たち
よくよく知らべてみると搾取され続けていることがわかるんで、トライシクルのドライバーを見ているとなにが悲しくてこんな仕事をしているんだろうと思わされます。
でもトライシクルの仕事に憧れている層もあります。パジャックという、トライシクルの自転車バージョンの仕事をしている人たちです。

引用元:
http://diamond.jp/articles/-/45934?page=3
こちらもまた、レンタル料金を1年間支払うと、自転車が自分のものになるといった勘定です。自転車付きのパジャックは現金で買うと5000ペソから1万ペソぐらいの間なんだそうです。たった1万円か2万円のお金を支払う事が出来ないばかりに、レンタルして、最終的に3倍以上の金額を払うために炎天下の中、客を乗せて必死でペダルをこぐ子供や老人たち。
トライシクルで働いている人たちの労働環境もかなり悲惨でしたが、そこで雇われるのもそれなりのレベルが必要なんですね。そこにすらいけない人は自転車を漕ぎ続けなくてはなりません。
観光地巡りの時にパジャックに乗るのは浅草で人力車に乗るような優雅な気持ちになったものですが、幹線道路を必死こいてペダル漕ぎをしているパジャックは大変そうでした。
交通機関の仕事に従事する人たちの階層は低い順からいうと。
パジャック→トライシクル→ジープニーまたはタクシー
こういうランクになっているんでしょうか?
こう考えると自前の車を使ってジープニーやタクシーを運転している人たちはかなりの成功者だといえるのかもしれませんね。でもこれで成功者だとするとフィリピンの現実はまだまだ厳しいと思わざるを得ません。
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