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終わらない戦闘
ミンダナオ島にISの魔の手が伸びてから早半年。
当初は簡単に制圧することができると思われていたけど。
全くそんなことはなくすでに死者が1000人近くにのぼっているという。
フィリピン南部は過去数十年の間、武装勢力による反乱や、山賊行為に苦しんできた。だが、マラウィでの激しい戦闘、そして地元武装勢力と肩を並べて戦うインドネシアやマレーシア、イエメン、チェチェン出身のIS戦闘員の存在は、同組織がイラクやシリアで足場を失いつつあるなか、この地域が東南アジアにおける拠点となりつつあるとの懸念を生んでいる。
占拠を封じ込めるためにフィリピン軍が送り込まれたが、進展が緩やかで、困難かつ慣れない市街戦になるとは、誰も予期していなかった。
「われわれは、反乱には慣れている。だがこのような規模での展開やこの種の紛争は、われわれの部隊にとっては試練だ」。マラウィでの作戦指揮官の1人、クリストファー・タンプス中佐はそう語った。
マラウィ制圧作戦は、武装勢力が仕掛けた手りゅう弾が仕込まれたガスタンクなどの偽装爆弾に手こずっていると同中佐は言う。

地図を確認するフィリピン兵。1日撮影(2017年 ロイター/Jorge Silva)
ISのフィリピン侵略について日本のマスゴミはほとんど報道していないが。
明日は我が身である。
移民問題を含めて深刻に考える必要がある。
ただ私セブやマニラの知人友人恋人と毎日のようにスカイプで話をしているんだが。
さすが南国の人たちはケセラセラ……なるようになるさ、という態度である。
マラウィにISが上陸した時点では結構な関心をひいていたけど。
今は全く関心がないみたい。なんで?
と思うが、どうもミンダナオは差別されているというか。
セブやルソンの人たちは自分たちのところとは違うって思ってるみたいだね。
私は日本のマスゴミが報道しないことを怒っているんだけど。
現地のフィリピン人の危機感のなさに接すると腰砕けになってしまう。
それにしてもミンダナオ島のイスラム教徒の武力蜂起は根が深い。
今回の蜂起が失敗に終わってもミンダナオ島における宗教問題は終わらないだろう。
ミンダナオはフィリピンの食糧庫。
農産物のほとんどがミンダナオで作られている。
現地に行ってみると、もしヤシの木がなければ日本の農村地帯と見間違うほど、既視感がある。
もともとミンダナオには日本人が多数入植していて、戦争で負けるまでは日本の影響が強かった地域である。

引用元
http://oxfam.jp/whatwedo/area/Philippines/
もちろんジャングルもあるけれど。
こんな場所にイスラム教徒の人たちも住んでいるのである。
日本人にとってはかなりびっくりすることなんじゃないだろうか?
イスラム教徒は隔離されているわけではなくて社会に溶け込んでいて、大いなる政治力も発揮しているのである。
さらに地勢的にイスラム教徒の国であるマレーシアと島伝いにつながっている。
その島々にはイスラム教徒が多数いて、治外法権的に支配をしているとか。
今回のISの侵攻も島伝いにのぼってきた。
応援も補給もこのルートで来ているわけなんでなかなか制圧ができない。
いよいよ終結を迎えそうなIS掃討
ただ多数の犠牲を払ったフィリピン軍だが、ここにきて制圧のめどは立ってきてるという。
ネットでも7月以降は情報が得られなかったが宮崎正弘さんのメルマガでその後の状況を教えてくれたのでそれをシェアしたいと思う。
ちなみに宮崎正弘さんのメルマガは無料であるにもかかわらず世界情勢、就中アジアの情勢について詳しく情報を提供してくれるのでお勧めである。
ここから申し込みができるのでぜひ。
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)9月9日(土曜日)
通巻第5426号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~フィリピンのIS拠点「マラウィ」制圧はどうなっているのか
ドゥテルテ大統領、三回現地入り。「戦闘は間もなく終わるだろう」
****************************************マラウィはフィリピン南部のミンダナオ諸島の西部に位置するイスラム教徒の街。5月23日に戒厳令が発動され、政府軍が投入されてイスラム過激派との戦闘を開始した。
武装集団の主体はISシンパのマウテ集団、ここに武装ゲリラ「アブサヤフ」の残党、そしてIS帰りの過激派に加え、マレーシアとインドネシアからISに影響を受けた武闘派が加わった。
かれらはマラウィ市を乗っ取った。その制圧と治安回復のためフィリピン政府の軍事作戦が本格的に展開された。死者800名、避難民がすでに36万人。このうち310名がISシンパの過激派イスラム教徒とされ、負傷者は無数。ただし過去の過激派「MILF」(モロ・イスラム解放戦線)とMNLF(モロ国家解放戦線)の二つの武装集団は政府との間に停戦協定を結んでおり、マラウィの戦闘には加わっていない。そればかりか、マウテ集団とは敵対関係にある。
マラウィの街は空爆と激しい戦闘で破壊され、まるでカブールやベイルートのように瓦礫の山となった。ロレンザナ国防相は「復興に11億ドルを要する」とし、フィリピン政府は半分の六億ドルの「復興債」を起債し、資金を調達するとしている。
こういう話が浮上するということは、まもなく戦闘は終了するという展望があるからだろう。現地入りしたドゥテルテ大統領は、現地の軍事作戦を視察し、8月24日の視察では自らも機関銃をもって前線に立った。
「遅くとも十月には作戦は終了する。残るIS兵士は、市民20数名の人質を取り、『人間の鎖』をつくらせて、その輪の中に潜んでいるだけだ」
現地司令官のカレルド・ブレベス少将(西ミンダナオ司令官)は、「彼ら残党は40名足らずであり、600メートル四方の地区に立て篭もっているが、食料も弾薬もつき、殆どが負傷している。リーダーの多くはすでに空爆で死亡した」と語っている(アジアタイムズ、9月7日)。
戦略拠点だった市内最大のモスクと兵站ルートとなっていた二つの橋はすでに政府軍がおさえ、36万人の避難民の医療、食料を運んでいる。救護班には女性兵士も参加しているという。
しかしマラウィを制圧できたとしても、ミンダナオ諸島は歴史的にイスラムであり、レイテ、ルソンのようにカソリックではない。
したがって歴史的対立に終止符が打たれるわけでもなく、マラウィの戦闘終了は、つぎの新しいイスラム過激派との戦いの始め利に過ぎない、という悲観の声が聞こえる。「かれらは14歳以下のこどもを洗脳し、山岳地帯に立て篭もることになるかも知れない」とは現地の報道である。
ミンダナオのイスラム問題はフィリピンにとって喉仏に刺さった骨のようなものであるが、ISが今後日本にも浸透してくるとなると他人事ではない。
CNNの以下の記事などはそのあたりのことを詳しく論じていてお勧めだ。

引用元
https://www.cnn.co.jp/world/35102324-2.html
一部引用
ISISに忠誠を誓う戦闘員による政府軍への大胆な攻勢は、見る者の多くに衝撃を与えた。同時に、ISISが東南アジアでの影響力拡大に成功しているとの懸念も増している。
フィリピンのカリダ検事総長は記者会見で、「ミンダナオ島で起きているのはもはやフィリピン国民の反乱ではない。外国人テロリストによる侵攻に変質した」と指摘。「彼らはミンダナオ島をカリフ制国家の一部にすることを望んでいる」との見方を示した。
シンガポールに拠点を置く「政治的暴力・テロリズム研究国際センター」(ICPVTR)のグナラトナ所長によれば、東南アジアでは近年ISISの影響が広がっている。同地域の60以上の組織がISISのバグダディ最高指導者に忠誠を誓っているという。
インドネシアやマレーシアではISISとの関連が疑われる事件が発生したほか、両国の組織とフィリピンに拠点を置く組織との関係も強化されている。
フィリピン軍は今年4月、ミンダナオ島の南ラナオ州でISISとのつながりが疑われるマウテグループ戦闘員を攻撃、37人を殺害した。その中にはインドネシア人3人とマレーシア人1人も含まれていた。インドネシアに拠点を置くテロ組織「ジェマ・イスラミア」の構成員とみられている。
だが、ジャカルタに拠点を置く「紛争政策分析研究所」(IPAC)の報告書によれば、捜査やテロ対策の取り組みは依然、おおむね国単位に分かれたままだ。
今後も注目していきたいものである。以下略
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