お酒は日本の催事にはつきものです。お正月といえば甘酒。しかし甘酒は酒という名前がついていますが、アルコール分ゼロのノンアルコール飲料です。それに対して子供のための祝い事で飲むのは白酒。こちらは見た目がそっくりなのにれっきとしたお酒。今回はひな祭りの白酒について意味や由来を調べてみました。
お正月は甘酒を飲むという風習があると言っても私はのんべなんで、もちろんアルコール分たっぷりのお酒しか飲まないんですが、風邪を引いた時などは甘酒はいいものですね。「飲む点滴」と言われていまして、栄養満点です。「一夜酒】ともいわれ、簡単に家で作れます。とはいえ家に米麹とおコメがないと作れませんけどね。作り方はご飯に米麹を混ぜて一晩寝かせるだけ。
それに対して白酒は独特の製法では有りますが、純粋なお酒ですので、時間もかかり技術も必要ですので、とても家で作るというわけにはいきません。
今回はひな祭りと白酒の話ですので、早速白酒の話をしていきましょう。まず言っておきたいことは白酒を呑む習慣は江戸時代からのものでひな祭りの伝統からいえばつい最近始まった風習だということです。今回はその新しく付け加えられた風習について見ていきます。
白酒の作り方と由来
白酒は甘酒と見た目が似ていますのでよく間違えられます。間違えられるだけではなくて、ひな祭りに甘酒を飲むという家は結構有ります。
若いご夫婦などは特にそうなりがちです。でもせっかく子供の成長を祝っているのにしゃしゃり出てうんちくをひけらかすと嫌われることも有りますから気をつけましょう。良いじゃないですか、それぐらい間違えたって。というか今はひな祭りに甘酒というのも当たり前のようになってきています。
ただなぜ白酒なのか。その由来は折があったら教えてあげるのは親切だと思います。というのも先人が白酒を普及させるために作ったストーリーがあるからです。
白酒は、みりんや焼酎などに蒸したもち米に米麹を米麹を仕込み1ヶ月程度熟成させます。そうして出来たもろみを、軽くすりつぶして造ったお酒で、白く濁り粘っとりとしています。糖質が45%程度含まれているので甘みがあり、アルコール分は9%前後なので強いお酒ではありません。
白酒の由来1
白酒誕生にまつわるエピソードがあります。
「ある夜、豊島屋十右衛門という方のの夢枕に、紙で作られたお雛様が立ったといいます。そして夢のなかで白酒のつくりかたを伝授してくださいました。
そこで夢から覚めた十右衛門は夢で見たレシピを元に酒を仕込んでみると、とても美味しい白酒ができたと言うんです。
十右衛門はお雛様から教わった縁を大切にし、試しに桃の節句の前に売り出したところ、大ヒット作品となりました。
お雛様に教えられたからひな祭りには白酒を呑むべきであるというキャンペーン!
まあまあ良いですけれども深みが無いです。もう一声無いかということで。
白酒の由来2
白酒をひな祭りに飲む理由に中国経由の由来があります。
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白酒はもともと 「桃香酒」という、中国産のお酒のことを指していて、それが白酒という名前に変化したというのですが、それだと豊島屋十右衛門のエピソードと合いません。
神秘的な力があり桃は百に通じるところから、桃の花を清酒にひたした 「桃花酒(とうかしゅ)」が飲まれていてそれが江戸時代になって豊島屋十右衛門のよ9って売りだされた「白酒」野変わったという説がありましてそちらのほうが合理的です。
でもあとから意味づけして販売促進を狙う手法は日本でもむかしから使われていましたから、白酒が売れるようになってから中国方面の話をこじつけた可能性はあると思います。
しかし白酒の効能について語る場合にはどうしても中国に関係付けなくてはいけないようなんですね。
どうしてか?
昔、大蛇を宿してしまった少女が、3月3日に白酒を飲み、胎内の大蛇を流産させたというお話があるという前提に立って。
胎内に悪い子を宿さないように白酒を呑むようにしましょうというキャンペーンをして白酒を呑む習慣を定着させた可能性があるからです。
もし本当にそれは後付のつくり話だとして。夢枕にお雛様がたったと言うことであれば本人が主張したことはなかなか覆せるものではありません。
しかし大蛇を宿すなんてことはまずありえませんから、近くのことにしてしまうとバレてしまいます。
江戸時代には現在のように中国人が「爆買い」に来るなんてことは絶対にありませんから。中国だったら大蛇とセックスして大蛇の子供を産むってことはあるかもな、って思わせたんじゃないでしょうか?当時日本は鎖国をしていまして、誰も国外に出ていけなかったんですから誰にも本当のことはわかりません。
以上は私の勝手な憶測ですが、いずれそういう縁起があることで白酒をひな祭りに飲む習慣が定着して今に息づいているわけですので、それはそれで素晴らしいことだと思います。
ひな祭りの白酒の飲み方は?
ひな祭りにしか飲まない白酒ですが。わたしのような酒飲みが飲んでもまずくはないですよ。
美味しいかと言われれば好みはわかれると思います。甘いですから。がぶ飲みするような酒ではありませんが、でもただ甘いだけではなくてすっきりしたのどごしですので、食前酒などには良いのではないかと思います。
ひな祭りの定番のちらし寿司や太巻き寿司、あられなどは同じように甘いモノですのでそれと一緒に白酒というのは合わないと思いますが。
ひな祭りというのはもともとは子供のお祭りではありませんでしたが、江戸時代以降はお雛様を飾り、それを見ながら子供の健康を願う行事ですので、大人が主役ではありません。贅沢はいえませんよね。
飲み方としては冷でそのまま飲むのが普通だと思いますが、独特の香りや味わいがありますので、澗にして飲んでもそこそいけます。
白酒って普段は飲まないでしょ。私の周りだけかもしれませんが、ひな祭りにしか飲ま無い方がほとんどです。
それだけに白酒を飲むとひな祭りなんだなあって思いますので、節目を感じられるという点で、白酒は私にとっては貴重なお酒です。
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