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私は風鈴の音を聞くと、夏だなという感慨とともに清々しくも温かい気持ちになります。
また風鈴の音は私のふるさとの音でもあります。
というのも私の田舎は南部風鈴の生産地でありまして、夏に風鈴を鳴らしていない家はないというような場所でした。
駅などにはこうして多くの風鈴が飾られていまして、美しい音色を楽しむことができます。
ちなみにそのメッカ水沢駅は「日本の音風景100選」にも選ばれていまして、6月から8月まではたくさんの風鈴が駅のホームに吊るされ、涼やかな音色を奏でています。

引用元
http://plaza.rakuten.co.jp/machi03iwate/diary/201508110001/

引用元
http://plaza.rakuten.co.jp/baneisupporter/diary/201006140000/
ということで私にとっては風鈴の音色というのはあくまでも涼やかな心地がいいものです。
ところが上京してからベランダに風鈴を吊るしておいたら早速うるさいという苦情が来ました。
私は驚きましたねえ(;´д`)
風鈴の音が騒音に聞こえる人達がいるということにカルチャーショックを覚えたことを未だに忘れられません。
それと風鈴といってもさまざまな種類があるんですね。
今回はそんな事を書いてみたいと思います。
目次
風鈴の種類って?
風鈴は要は風が吹くときにその力で綺麗な音が出ればいいわけですから、その素材は鉄や銅などの金属、陶器などがあります。さらには木や木炭で作られた風鈴もあったり果てはガラス水晶など作られたものもあるそうです。
ガラス素材の風鈴
ガラスでは琉球ガラス、諏訪ガラスなどでも作られています。
琉球風鈴↓

引用元
http://rurian.ti-da.net/e2334395.html
今有名なものはというと江戸風鈴というのがあります。
篠原風鈴本舗という老舗のサイトがありますが、これが非常に素晴らしいのでおすすめしておきます。
篠原風鈴本舗の江戸風鈴↓
このサイトによると昔からガラスの風鈴はあったものの江戸風鈴という名前になったのは明治も遅くなってからと言うことで、結構新しいものだったようです。
またいま江戸風鈴の正統を継ぐ人は3人しか残っていないなどと書かれていまして、面白いです。
なお江戸風鈴の特徴というと、フチがギザギザのままであるということです。そうしないと音が出なくなるということですが、ほかのガラス風鈴はそんなんことがないように思うんですが。
なんででしょうか?調べてもよくわかりませんでした。すみません。
ガラスに似た素材で作られた風鈴
結晶化されたものは水晶とかそういうでも風鈴を作ることができるそうです↓

引用元
http://www.mishima-pocket.com/blog/1945/
考えてみたら水晶などはガラスの仲間ですから。
金属素材の風鈴
南部風鈴
私は岩手県出身なんで風鈴といえば鉄でできた南部風鈴しか知らなかったものですから、いろんな素材で風鈴が作られていることを知った時には衝撃すら覚えましたね。
南部風鈴は何しろ藤原三代平泉の時代からの伝統があります。1000年の歴史がある風鈴もそうはないと思います。
それなんで今は多くの作家さんたちが南部鉄器としての風鈴に挑戦をしていまして、様々な意匠の風鈴があります。
でも私に馴染みがあるのは伝統的な釣鐘型です

引用元
http://item.rakuten.co.jp/iwate2/000308-010/
高富風鈴
銅製のものとしては、富山県高岡風鈴、神奈川県小田原鋳物の小田原風鈴があるそうです。
↓楽天で発売されている物の画像ですが、おしゃれですね。

引用元
http://item.rakuten.co.jp/haba-design/101011/
いずれ金属製のものはリーンと長い音が響くのが特徴で、私は風鈴ってそういう音ばかりかと思っていましたらば、先ほどの水晶の風鈴とかガラスの音はまた全く違う音がしますね。
チリンチリンと余韻のない短い音がしまして、これはこれで風情があるものです。
明珍火箸風
また兵庫県姫路の明珍火箸というのがありますが、これをそのまま風鈴として使うように作った火箸風鈴というものがあります。二組の火箸を吊るしてその中央に舌を下げています。
風鈴としては邪道のようにも見えますが、音に関してはなかなか素晴らしいものがあります。
名珍火箸自体も明治になって甲冑を作っていた人たちが廃業の危機に見舞われて、苦肉の策として火箸を作り始めたんだとか。
明珍火箸風鈴の情報まとめ
という詳細なサイトを見つけました。ご興味がある方は詳しいことはこちらをどうぞ。
いやあ素晴らしいですね。どなたがまとめたのかわかりませんが、地元の方なんでしょうね。労作だと思います。
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風鈴の音色の効果
風鈴の音が涼やかの感じられるのは音自体にも涼やかな感じがあるとは思いますが、それだけではなくて見えない風を体感しているからです。風鈴の音色は風の音なんです。
日本人はもともと右脳だけではなくて左脳でも音や色を感じられる稀有な民族と言われています。虫の音や雨音を雑音ではなくて美しい音楽として聞く能力を持っているんです。
日本人の脳―脳の働きと東西の文化
人間の脳は右脳と左脳とに分かれ、それぞれ得意分野がある。
右脳は音楽脳とも呼ばれ、音楽や機械音、雑音を処理する。
左脳は言語脳と呼ばれ、人間の話す声の理解など、論理的知的な処理を受け持つ。
ここまでは日本人も西洋人も一緒である。ところが、虫の音をどちらの脳で聴くかという点で違いが見 つかった。
西洋人は虫の音を機械音や雑音と同様に音楽脳で処理するのに対し、日本人は言語脳で受けとめる、
ということが、角田教授の実験であきらかになった。
日本人は虫の音を「虫の声」として聞いているということになる。
風鈴の音をまさに日本人は風の声として聴くことができるんです。だからこそここまで風鈴が広まったわけです。
風鈴の音が雑音に聴こえる人は日本人的脳が壊れた人
でも最近は風鈴の音が雑音にしか聞こえないという人も増えてきました。
自然の音を左脳で理解することができてこそ小川のせせらぎや小鳥のさえずり、風鈴の音が脳の中で映像に変わります。・・・・・それらを聴くだけで背景にある自然や澄んだ空気、青空、木々の息づく森が音楽や映像として私たちの頭の中を流れていくのです。
それは自然とともに生きてきた私たち日本人の中に確かに生きている能力です。でも今の日本では幼い頃から電子音が垂れ流される環境の中にいる人がほとんどです。
日本人は何万年もの間培ってきた素晴らしい能力を失おうとしています。これはとても残念なことです。
風鈴の音が雑音に聞こえるなど、私には信じがたいことです。
すべての日本人が共有していた自然を感じ、それを面白い、美しいと感じられた稀有な感性
♪ あれ松虫が鳴いている
チンチロ チンチロ チンチロリン
あれ 鈴虫も鳴き出した
リン リン リン リン リーン リン
秋の夜長を鳴きとおす
ああ おもしろい 虫の声♫
みんなが口ずさんだこんな歌も、何を言ってるのかわからない人たちが増えて来たんでしょうか。
私は風鈴の音を聴くと心が癒されます。
日本人は意図的に作り替えられていますのでね。もともと持っている日本人らしさを大切にして生きていきたいものですね。
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