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常識で考えたら冷えていったら凍りますよね。実際水は0度以下になると凍ります。雨が雪になったり池の水が氷ったりします。ところが氷に塩を混ぜるとなんと温度は下がるのに氷は早く溶けるという現象が起こります。果たしてこれはいったいどういうことなんでしょうか?皆さん多くの方の疑問だと思うんですがなかなかよくわかる説明が見当たらないので私も挑戦してみたいと思いました。
目次
なぜ塩をかけると冷えるのか?
よく引き合いに出される手作りアイスクリームに塩と氷の例。
アイスクリームを作る場合は塩を混ぜた氷水のボウルの上にアルミ製のボウルを載せ、生クリーム・牛乳・砂糖・卵・バニラエッセンス入れます。
そしてボウルを回転させながら混ぜていくと下のほうから固まってきてアイスクリームが出来上がります。
私も作ったことがありますが、ボウルに氷を入れ塩を混ぜると確かに氷の温度が0度以下になりました。
氷水に塩を入れないとアイスクリームは固まりません。不思議です。

引用元
http://ishigame-machine-technology.net/IMT/archives/153
夏にかき氷を食べるときにいたずらして少し塩をふったかき氷を友人に食べさせたことがありましたが、かれはあまりの冷たさに脳天に電流が走って悶絶していました。
こんな感じで塩を氷を混ぜるとなぜか氷水の温度が下がります。どうしてそんな事が起きるのでしょうか?
氷が溶ける仕組みは?
暖かい場所に氷を置くと氷が溶けていくんですが、そのとき周囲がひんやりしますよね。
それはなぜなのか?
氷が水になる時には周囲の熱エネルギーを吸収してそのエネルギーで、個体として縛られていた鎖を切っていくんです。
氷というのは水分子が緊密に結びあっているので身動きが取れない。だから氷=個体になっているんですね。
その鎖を切るためのエネルギーが必要なんです。
この鎖を解き放つために必要なエネルギーのことを融解熱といいます。
そうやって鎖をどんどん切っていくことで、水分子同士のつながりは緩やかになって自由度が高い液体になることができます。
物質は固体や液体さらに気体へと変化していくときにその変化を引き起こすエネルギーを必要とします。

引用元
http://www.suntory.co.jp/company/mizu/jiten/know/kn_01_01.html
このことをさらに詳しく書いてみます。
水の分子は水素原子(H)2つと酸素原子(O)1つが結合してできています。水分子がたくさん結びつくことで水という液体ができます。そのつながり方ですが、水分子の場合は酸素側がマイナスの電荷、水素側がプラスの電荷を持つことで磁石が引き合うような形で結合しています。これを水素結合といいますが、そうやって水分子の集合(水クラスター)が形成されます。常温の水では、5~6個から十数個の分子でクラスタが作られています。そしてクラスタ同士が緩く動いているんです。

引用元
http://blogs.yahoo.co.jp/yuyamichidori/8660187.html
しかし水が0.00℃以下(1気圧下)になると、クラスタが運動するための熱エネルギーが供給されませんので、水分子は動きをとめて互いに結合して氷になります。
逆に周りが暖かくなりますと、エネルギーが与えられますので水分子の運動が始まって、緩く動き始めます。つまりは氷が溶けていきます。
その時動き始めるためにエネルギーがいりますので外部からエネルギーをどんどん取り込んでいきます。それで周囲が冷えるのです。
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塩を振りかけたら温度が下がる理由
氷に塩をかけると、融けていた水に塩が溶けますよね。この溶けるという変化にもエネルギーが要ります。
塩が水に溶けるというのは、具体的には塩を構成している塩素とナトリウムが分解されるということです。そして水中で塩素がマイナスの電気を帯び、ナトリウムがプラスの電気帯びてイオン化してその周囲に水分子を引き寄せますが、その過程で熱エネルギーを奪っていきますので、周囲の温度が下がります。塩が水に溶けるときに周囲から奪う熱のことを溶解熱といいます。
水が溶けるときにも温度が下がる。塩が溶けることでも温度が下がる。この相乗効果があって温度が下がっていくのです。水は0度で凍るわけですが、塩水を凍らせるには、溶けてしまった塩素やナトリウムのイオンを水から離さなければなりません。水を凍らせるのに必要なエネルギーとともにそのためのエネルギーも大量に外から得られなければ凍らないのです。ですから塩水は0度では凍らないのです。これを凝固点降下といいます。
なぜ塩を振りかけると氷水の温度が下がるのに早く溶けるのか?
水には0度になるとその温度は氷が溶けきるまでその温度を保つという性質があります。
つまりは水になったり氷になったりということを繰り返しながらゆっくりと溶けていくのですが、塩水が入ることによって氷になることを邪魔されますので、溶けていったん水になったものは氷に戻ることができません。そのため結果として溶けるスピードも早まるということなのです。

引用元
http://mizuiku.suntory.jp/kids/research/j2_3_2.html
まとめ
氷が溶ける際には融解熱というものが必要なので、溶けるときにまわりの熱を奪います。
そこに塩を入れると塩が水に溶けるために溶解熱が必要なのでまわりから熱を奪います。
それで0度を過ぎてどんどん温度が下がっていくと水は氷になろうとしますが、溶け込んだ塩の塩素イオンとナトリウムイオンが邪魔をして凍らせてくれません。
これが塩水を入れると液体のままどんどん温度が下がっていく理由です。
また氷が早く溶ける理由は、水だけだと、溶け終わるまで0度を保ち氷になったり水になったりしながらゆっくりと溶けていきます。
しかし上記の理由と同じで、塩を入れると一回溶けた氷が水になるのを妨げます。そのためどんどんと水になっていくために氷の解け方が早いのです。
氷水に塩をまぶすと氷水の温度はどんどん下がっていくのに、氷は早く溶けていくことの謎は上記の理由によるんです。
これで塩を氷にまぶすと温度はどんどん下がるのに早く溶ける理由がわかりました。
なるほどって、まあ自分の勉強になりましたが、なれないことを調べましたので、少しわかりづらかったかもしれません。皆さんのお役に立てたら幸いです。
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