お正月になると門松やしめ飾り様々なものを飾ります。これは新年になるとやって来る歳神をおむかえするために行われる風習です。
「鏡餅」も恒例の一つです。
その飾り方も決まりがあって、一つ一つに意味があります。
そもそも「鏡餅」をお供えする風習はいつから始まったのでしょうか?またなぜ丸い形なのか?いつまで飾っておけばいいのか?などと疑問は尽きません。
簡単に調べてみましたので参考にしていただけたら幸いです。
なぜ鏡餅をお供えするのか?
まずなぜ餅なのか?ということですが餅は昔からお祝いの時に食べるものでした。それはなぜかというと、餅には私達日本人が糧としていたお米の霊が宿ると考えられていたからです。そのお餅を食べることでお米の神様から力を分けていただいていました。お正月の間、歳神様がそれぞれの家庭にやってくるわけですが、その際歳神様は鏡餅に宿られるとされてきました。鏡餅がなくては歳神様の居場所がないのですから絶対に必要なお飾りの一つとなりました。
鏡餅の形にはどんな意味が込められているのか?
大昔は春めいた頃の「満月」の夜が正月の始まりとなっていたそうです。昔の人達は太陽ではなくて月を基準にして農作業の時期を知ったのです。
日本では太陽暦はごく最近のものです。明治になるまでは太陰暦(月の満ち欠けを基準とした暦)を使っていました。
月の満ち欠けを見て様々な事を判断していたのです。
特に満月の夜は特別に大きなエネルギーを注いでくれると信じられていました。日本の行事に満月の日が多いのはそのためです。
またこの月の丸い形の物が縁起の良いものだとされました。
昔は満月のことを「望月(もちづき)」と言いました。「餅」と「望」は同音ですから、餅も丸い形が最も良いとされました。
さらには神様の宿るとされた鏡も丸い形をしています。
丸い餅が鏡餅と言われるのはここから来ているとされています。
そこから敷衍して丸い形は夫婦円満を表すと言われたり、重ねてある姿は1年をめでたく重ねるなどといった意味が付け加えられるようになったと言われています。
鏡餅の飾り方について
鏡餅を飾るのは年明け前の28日までに行うのが良いと言われています。29日にお餅を備えるのは『九(苦)もち』と言って縁起が悪いと言われていますし、大晦日となると
この日に飾ることは一夜飾りと言われ神様に失礼とされるので飾りません。
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いずれ遅くても28日までには準備したいものです。
また飾っておく期間は1月11日の『鏡開き』の日までです。
鏡餅は意外な場所にもお供えすべき!
鏡餅を飾る場所はどこが良いのか?ということなんですが。鏡餅は歳神様がいる場所です。一般的には敬意を表せる場所ということで床の間、あるいは、玄関などになりますが、その他にも歳神様が宿っていただきたい場所に鏡餅をお供えするようにします。
何故ならば古来より、年神様は、家の中の様々なところに「分霊」(ぶんれい)されると信じられてきましたので、お仏壇や神棚はもちろんのこと。台所やその他の大事な場所に供えても良いと思います。床の間の無いお家では、リビングやダイニングに。勉強机や仕事机などにお供えするのもいいとされています。トイレや家の下座のような不浄な場所にはお供えしないという方もいるようです。
しかしむしろ、歳神様が宿られることで清められると考えられますので積極的にすべきなのだそうです。
日本には「便所の神様」もいらっしゃいます。日本の神様は心の広い素晴らしい神様なんですね。日本人に生まれたことがとても嬉しくなります。
ちなみに古来からお供えすべきだと言われている場所がありました。調べてみますと歳神様が立ち寄る場所は何も立派な場所とは限りません。各所にいる神様に力を与えるためにも鏡餅は各所に飾るのが良いのです。かつての農家では、井戸や蔵。納屋。更には臼や杵などを含む農具などにも小さな注連飾りをし、小餅を供えていたといいます。
家の中にいる神様をまとめておきます。
トイレの神様は厠神(かわやがみ)といいます。
トイレの神様は昔から女性のお産を守る神様として大事にされてきましたので、トイレにももちろん鏡餅をお供えすべきですね。
かまどや台所を守る神様のことを竈神(竈神)といいます。
火を司る神様で恐れられていましたが、それだけご利益もあると信じられてきました。その神様を鎮めるためにも火を扱う台所には正月飾りを掛け、鏡餅を供えて一年の家内安全を願うのです。
寝室としての「納戸」に祀られる神様を納戸神(なんどがみ)といいます。
プライベートのものを守ってくれる神様です。寝室にも鏡餅を供えると良いでしょう。
井戸や洗い場などで水を司る神様を水神(すいじん)といいます。
水は日々の生活にもっとも大切なものでした。それを司る神様のために水周りにもお供えをすると良いでしょう。
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